伝説のゲーム 『アウター・ワールド』とは?

『アウター・ワールド』とは何かを、それぞれ思い入れのあるメンバーにより紹介を致します。

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「アウターワールド」に興味をもたれた方へ

弊社社員H


 「アウターワールド」は1991年にフランス人エリック・シャイ氏によりパソコン用ゲームとして開発され、
その後、数々のパソコンや家庭用ゲーム機に移植、発売されることになる。

最初の開発からすでに20年と言う月日が流れているが、今なお多くの人の記憶に残る

名作と呼ぶにふさわしいタイトルなのだ。


このゲームを知らないという人のために、どんなゲームなのか簡単に紹介しよう。

実験装置に起こったアクシデントにより未知の世界に飛ばされてしまった主人公、レスター教授が

気がつけば死に、立ちあがっては死に、歩いたら死に
気をつけても死に、呆然としている間にまた死ぬという


「これはレスター教授が1分間に何回死ねるかを競うゲームなのかな?」とか考えてる間に

もう2回死ぬ

という、そんなゲームだ。


最近のゲームのようにその世界について説明してくれる妖精も出てこないし

一つ一つの操作を試させてくれるチュートリアルももちろん無い。

開始3秒でウェルカム殺人ワカメがでてくるだけだ。

ひどいゲームだと思うだろうか? そんな不親切なゲームはごめんだと思うだろうか?

しかし想像してみてほしい。

あなたがもし、突然別の世界に飛ばされたとしたら?

その世界で「猛毒の芋虫」や「凶暴な肉食獣」や「殺人ワカメ」に襲われたとしたら?

レーザーガンを装備した大勢の好戦的な異世界人と戦う事になったら?

あなたは生き延びられるだろうか?その時の装備がTシャツにチノパンでも?

攻撃手段が「スニーカーでキック」しかなくても?

私なら無理だ。全然生き延びられる気がしない。だから彼が、レスター・ナイト・チェイキン教授が、

何回も何十回も、下手すると何百回も死んでしまうのは、至極当然で、仕方のない事なのだ。

だが、これはゲームだ。

何回も、何十回も、何百回も死んだ先に、生きて帰れる未来があるかも知れない。

画面の中のTシャツにチノパンで奮闘する彼は、他でもない、あなたなのだ。

異世界に飛ばされたあなたが、死力を尽くして生還を目指す。

そう思って画面に向き合った時、このゲームは理不尽な無理ゲーなどではなくなるはずだ。


どんなに困難な場面にでも、生き残る方法が用意されている。

どんなに難しい謎にも、解決のヒントは示されている。

言葉がわからなくても、どんな状況で何がおこっているのか理解できるように作られている。

異世界を冒険する主人公として、謎を解き、銃撃戦をくぐり抜け、奇妙な友情を感じながら

このゲームを楽しんでいただきたい。

こんなに難しいゲームが、なぜこんなにも長く、多くの人に愛されているのか?

その答えも、見つける事が出来るかもしれない。


800円でいける別世界。

のんびりできる観光地ではないけれど、ご興味をもたれた方は、是非。


※ゲームをプレイする前に「実況動画」「攻略サイト」などを見てしまうと
本作の面白さと難しさを著しく損なってしまう恐れがあります。
なんの情報ももたないままプレイする事を強く推奨します。


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学びながらの即興~Outer World 20th Anniversary Edtion
弊社社員A

Tony Mott(編集の『1001 VIDEO GAMES YOU MUST PLAY BEFORE YOU DIE(邦題:死ぬまでに遊びたい
テレビゲーム1001・デジタルボーン社刊)』の『Another World(邦題:アウター・ワールド)』に、こんな一節があります。

「エリック・シャイ氏はこのゲームの制作を”学びながらの即興”と称し、彼の目論見を実現させるため2年間を費やした」
(In a process he described as “educational improvisation”, he spent two years fulfilling his vision.)

"Educational improvisation"という言葉をどう解釈すれば良いか迷うところですが、全く着地点の見えない状況で
制作していたということは、何も持たずに航海にでるような無謀なことで、GDC2011でのインタビューでも、制作終了間近には
作者自身の心象が、這いつくばって脱出を図る主人公のレスター教授のような状態だったと語っています。

しかし、その成果は、既存のテレビゲームではまだ実現できなかった映画的な演出、プレーヤーに予断を許さない展開
そして何度失敗を繰り返してもクリアする喜びが勝る、奇跡的なゲームバランスになりました。

その後著名なゲームクリエイターに興奮と影響を与えたことはよく知られていることとなり、2012年には
ニューヨークの近代美術館において、同館で初めてコレクションされたビデオゲームの一つに選ばれています。

今回の20th Anniversary Editionの開発元であり、欧米地域のパブリッシャーでもあるThe Digital Loungeの代表に
上記のエピソードも含めてこのゲームの印象を伝えた時、彼は「Another World(アウター・ワールドの原題)とは状況が違う」
と即刻否定されましたが、どうしても伝説のロックバンドThe Velvet Underground のファースト・アルバムの先鋭性や
影響力を評したブライアン・イーノの言葉とダブリます。

「ベルベットのファースト・アルバムは当初3万枚しか売れなかったようだけど、それを買った連中はみんなバンドを始めたんだ」
("While the first Velvet Underground album may have sold only 30,000 copies in its early years,
everyone who bought one of those 30,000 copies started a band." -Brian Eno)

『アウター・ワールド』は、ヒントが少なく、操作性の難しさから「無理ゲー」「死にゲー」というカルト的な評価が強いようですが
これを「古いカルトゲーム」と片付けてしまうのは、あまりに惜しい作品です。
何度も失敗を繰り返すことが必要ですが、謎が解けた時や攻略法が見つかった時、このゲームが良質なアクションゲーム
であることに気づいてもらえると思います。

もし、どうしても前に進めずに困ったら、「アウターワールド 攻略」とインターネットで検索してみて下さい。
幾つかの攻略サイトや動画投稿サイトで、そのヒントを見つけることができると思います。

言葉も時空も超えて、テレビゲームの本質的な魅力に満ちた「アウター・ワールド」を是非ともお楽しみください。
エンディングまで辿り着いた時、きっと何か感じるものがあると思います。

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